ウルフさんの『逆境を成功に変える鉄板法則』

4.本当の理由

「もへこ、あいつの現状を見てみな。 一体どうなってる?」
「え~っと・・・汚い水にまみれていて、あのままだと死んじゃいそうです」
「そうだな。 じゃぁよ、その原因はなんだかわかるか?」
「そりゃぁ、人間が川や山を汚したからです! 私だって腹が立ちます!」
「うん、それもすげぇ大きな理由だな。俺も、タバコのポイ捨てする奴がいたら噛み付きたくなるしな・・。
でも、あいつの周りをよぉ~く見てみな。 覚悟して見るんだぞ」

もへこは、コウちゃんを目を凝らして見ました。
最初はわからなかったのですが、コウちゃんの周りには、死んでしまった魚がプカプカと浮かんでいました・・。

「ひ・・・ひどい・・・。」
「あぁ、許せねぇよな。 でも、あいつらが死んじまった原因は、なんだかわかるか?」
「え? ・・・ですから、人間が山や川を汚したことじゃないですか?」

「もへこ、物事には『外的要因』と『内的要因』があるんだ。
外的要因ってぇのは、俺たちのちっちゃな力じゃぁどうしようもねぇ要因のことだ。残念だけど、武器を持った人間には、俺たちはかなわねぇ。
でも、内的要因ってぇのは、『自分自身に関する要因』のことだ。
それは・・・『魚が、川から出なかった』っていうことだ。」

「川から出なかった・・・・」

「もへこは、アロマサロンを開いているよな。
そこの近くに巨大なリラクゼーション施設ができて、客が全部持っていかれちまったとする。
それで、もへこの店は明日にもつぶれそうになったとしたら、原因はなんだ?」

「それは・・その巨大施設の出店が大きな理由ではありますが・・・。
私自身が、変化に対応しなかったことです。 ・・・ウルフさんの言いたいこと、わかりました。
ここでも、『成功サロンの法則』が生きてくるんですね・・・。」

「川が汚れちまったことや、誰も助けてくれなかったこと、そんなことにばかり目をやってしまって、その汚れた川の中でもがいていても、何も解決にならねぇんだ。
『どうして売上が上がらないんだろう?』って思いながら、同じ川に居続けたら、知らないうちに死んじまうこともある。そうやってつぶれる店の数は、ものすごく多いんだぜ。
あのカワウソも、もうすぐその1人になろうとしてる。」

「『だからオメェはそこにいる』・・・でしたね。」

「さぁ、『ウルフさんの成功法則 パート2』と行くか!」
「はい!」