「そりゃぁ、ダメだな」
慌ててウルフさんの小屋に駆け込んで、一部始終を話し終えたもへことロビンスに、ウルフさんは、冷たく言い放ちました。
「そんな・・・どうしてそう思うんですか!? 助けてあげたいとは思わないんですか!?」
「助けてやりてぇと思わないわけじゃねぇ。でも、そいつは無理だ。
現に、オメェは泥だらけになったって、その頑固なカワウソを引っ張り上げられなかったんだろ?
他人が心配してどうこうなる問題じゃねぇよ。 かわいそうだが、見殺しにしたほうがいいぜ」
もへこのアドバイスで家庭菜園を始めたウルフさんは、急激な空腹感に悩まされることはなくなりました。
しかし、まだ森の動物との会話には慣れていないため、とめどなく流れてくるよだれをヨダレかけで拭いながら言いました。
「う・・・ウルフさん・・・。」
もへこがオロオロしながら言いました。
「バカやろう・・オロオロするんじゃねぇよ。 オロオロすると、余計に旨そうに見えるじゃねぇかよ!」
「でも、僕ら、何とかしたいんです。森の仲間を救いたいんです!」
ロビンスはプリプリしながら言いました。
「くそぉ、ノイローゼになりそうだぜ・・。 その旨そうなケツを振るのはやめてくれ・・・。
わぁ~~ったよ! 協力してやるよ!
ただし、わかってると思うけれど、俺のやり方ぁ、ちょっと荒っぽいぜ?」
「か・・構いません! コウちゃんを救ってあげてください!」
もへことロビンスが声をそろえて言いました。
「救うなんてぇことはできねぇよ。自分を救えるのは自分自身だけだ。そいつを伝えに行くんだよ」
ウルフさんは意味深なことを言いながら、のそりと席を立ちました。
「さぁ~てと・・ちょっくらカワウソでも食べに行くかぁ!」
「ちょ・・ちょっと! ウルフさん!」
もへこが慌ててウルフさんにしがみつきました。
「うっせぇなぁ、冗談だよ!!」
ウルフさん、まだ森の仲間との生活に慣れていないので、フラストレーションが溜まっているみたいですね・・。