「戦略と戦術の違いは、覚えているか?」
「えぇっと・・・戦略は『変えちゃいけないもの』で、戦術は『変えてもいいもの』・・?」
「まぁ、そうだけれど、それだとちょっと浅いな。 ミケはわかってるか?」
「戦略は『目的地』で、戦術は『手段』ですよね。
でも、目的地に行く手段、つまり戦術は『到着時刻』や『行く目的』や『現在地』によって変わるんですよね」
「・・・ミケちゃん、すごいね」
「そのとおりだ。
ここで出てきたピースを並べてみるぞ。
目的地、これが戦略だとするよな。
手段、これが戦術だ。
そして、
到着時刻の目標
行く目的
現在地
っていう、3つのキーワードが出てきてる」
「合計 5つのピースですね・・それぞれの整合性によって、完成図はできているんですよね」
ミケが熱心にメモを取りながら言いました。
プッチはまだ少し悩んでいる様子です。
そんな様子を見て、ウルフさんは穏やかにいいました。
「さぁ、わかりやすくなるように、出てきたキーワードをサロンに置き換えて考えてみようぜ。
ミケは、『到着時刻の目標』ってのは、サロンで言うと何だと思う?」
「ん~~~・・・・売上目標かしら・・・」
「そうだ。 サロンの経営的な目標を、ここでは到着時刻の目標に置き換えて考えてみるな。
次は、『行く目的』だ。 プッチは、これをサロンに置き換えて考えてみると何だと思う?」
「え~~~っと・・・。
・・・『売り上げ目的』? ん~~、なんか変だなぁ」
「まぁ、売り上げ目的でも言いたいことはなんとなくわかるけれど、
『そもそも、なんでサロンをやろうと思ったか』っていう、目的だな」
「そもそも、何でサロンをやろうと思ったか・・・」
ミケが、メモの手を止めて、つぶやきました。
「あぁ、ミケはなんでサロンをやろうと思ったんだ?」
「大手サロンで働いていたときは、どうしても一人一人にかけることができる時間が少なくって、
それが嫌だったんです。
だから、一人一人のお客様にゆっくりと時間をかけることのできる個人サロンでやっていこうって思いました。」
「そうそう、それがすげぇ大事なことなんだ。 プッチはどうだい?」
「僕は・・・・大手サロンで責任のある仕事をやらせてもらっても、ぜんぜん給料が増えないから、
だから、集客には自身があるし、自分でサロンを開いて、もっともっと稼いでやろうって・・・」
「うん。それも大切な気持ちだ。
でも、それはどっちかと言うと、『目標』だと思うな」
「目標と目的って、なにが違うんですか?」
プッチが言いました。
「いい質問だなぁ~~。 これは、一概にはいえねぇけれど、俺は、あえてシンプルにこう考えてる。
『目標は、自分のため。 目的は、お客様のため』ってな。
ミケは、お客様のために個人サロンを開いて、ゆったりと過ごしてもらいたいって思ってるよな。
プッチは、自分のために、もっと稼いで給料を増やしたいって思ってるよな。
これも、どっちがいいとか悪いとかじゃなくって、やっぱり『両方大事』だと思うな。
目的だけじゃぁ、経営はできねぇし、
目標だけじゃぁ、お客様には響かねぇ」
「じゃぁ、やっぱり私はプッチと組んで正解だったのね」
「そうだね。 お互いに苦手なところや足りないところを補っていけるしね」
「ようし、戦略・戦術がちょこっとだけわかって、
目的と目標がわかったところで、次のキーワードに行くぞ」
「次は・・・『現在地』ですね」
「『現在地』って、サロンに置き換えると・・・・」
「・・と、その前に、今日も課題をだすぜ」
「う・・・・やっぱり・・・」
「今日の課題は、『自分のサロンの、到着目標と、行く目的を作ってみる』っていうことだ!」