「『戦略』とか『戦術』って聞くと、なんか難しいような気がするけれど、そんなのわかる言葉に置き換えていきゃぁいいんだ。
たとえば、戦略は『目的地』で、戦術は『行き方』って変えたらどうだ?」
「目的地と、行き方・・・たとえば、『東京』と『バス』という感じですか?」
「例えがいきなり現実的になったなぁ・・・。 まぁいいや。 簡単に言うと、そういうことだ。
『東京に行く』っていう目的地があって、そこに行くための手段として『バス』ってぇのがある。
これが、目的地がなくって、手段だけ選べって言われたら、選べるか?
『乗り物を選んだ後で、目的地を教えま~す!』ってよ」
「行くところが分からなければ、乗り物は選べないわ・・・」
「そうだね。 沖縄から北海道に行くのに、『自転車』っていう手段は考えにくいもんね・・・」
「そうなんだ。
目的地が決まれば、手段の選択肢ができる。
目的地に合っていれば、手段はバスでもいいし、新幹線でもいいし、車でもいいし、飛行機でもいいはずだ」
「なるほど・・・。 葉っぱが季節によって変わるように、『目的地』によって『手段』は、変えてもいいんですね・・」
「そういうことだ。
まずは、『目的地を決めないと、手段は選べない』っていうことをインプットしてくれ」
「はい、インプットしました」
「じゃぁ、次のステップに行くぞ?
『東京に行くことにしました。 何で行きますか?』 という質問には、どう答える?」
「私だったら、新幹線で行くわ」
「僕なら、車かなぁ・・・」
「よし。 今日の課題はこれにしよう」
「え? またこんな抽象的な質問なんですか!?」
「そうだ。 『東京に行くことにしました。 何で行きますか?』っていうのが、今回の課題だ。
明日までに、それぞれ答えを出してきてくれ」
「えぇ~~~~!!? たったそれだけの課題ですか!?」