ウルフさんの「成功するサロンの法則」
11.客観的に考える
ウルフさんはもへこと目線を合わせないようにしながら、「ん・・」と、自分のカップを差し出しました。
もへこがキョトンとしていると、
「お茶だよお茶! ハブ茶!」と怒鳴るので、もへこはハーブティーをコトコトと淹れてあげました。
相変わらず渋い顔で飲み干した後、ほっとしたウルフさんはおもむろに口を開きました。
「さっきから釣りの話だけどよぉ、お前、鯛が好きな餌って知ってるか?」
「いえ・・・釣りはちょっと・・」
「マダイってぇのはな、生きたエビを餌にするんだ。 エビが生きてねぇとはじまらねぇ」
「へぇ~~、詳しいんですね」
「もへこはどんな食べ物が好きなんだ?」
「わたしは・・イチゴショートケーキです」
「ベタベタじゃねぇか・・。 まぁいいや。
じゃぁよ、イチゴショートケーキで鯛が釣れるか?」
「釣れるといいですよね♪」
「・・・・
じゃぁおめぇ、生きたエビをあげるからお茶しない? っていわれたらついていくか?」
「えぇ~~? 全然イケてないですね・・・」
「だろ? それぞれ好き嫌いがあるわな。
でもいつの間にかそれを忘れちまうんだ。
『自分が好きなものは相手も好き』って思い込んでサロンを運営しちまうのが、問題なんだな。
例えばよ、マダイを釣りたかったら、生きたエビを持ってこりゃいいだろ?
もへこをナンパしたかったら、イチゴショートケーキを食べに誘えばいいだろ?」
「そんなに安い女じゃないですよ!」
「例えばだよ!! いちいち噛み付くな!
とにかくよぉ、そうやって『目標』を決めていけば、自然と何をしなきゃいけねぇのか見え